ブログはどのような境遇にあっても、資金も時間がなくても始められます。またどんなテーマでも始められるし、どんなテーマでもお金を稼ぐことができます。
本日特集するブロガーは2010年にブログを始めました。彼女はその3年後に「ブログで利益を生み出す(How to Blog for Profit)」を出版、ニューヨークタイムズでベストセラーに入る著者になりました。翌年にはブログで稼ぐためのオンライン教育プログラムを立ち上げ、大成功しています。
2010年にブログを始めてから、あっという間に彼女はブログでお金を稼ぐ権威となりました。そして今では毎月数百万円を稼ぐようなブロガーを次々と輩出しています。
このような成功するブログ講座を立ち上げた彼女自身はどうやってブロガーになったのでしょうか、またどうやってこれまでの成功を収めることができたのでしょうか?
その軌跡を見て学びましょう。本日のスーパーリッチブロガー、ルース・ソーカップさんです。
リビングウェル・スペンドレス by ルース・ソーカップ
Living Well Spend Less®️はルースが始めたブログで、豊かな暮らしをしつつ節約するヒントを共有するブログです。2010年にブログをはじめ、2013年に同ブログでの成功を書いたルースの本はニューヨークタイムズのベストセラーとなりました。2014年にはルースの手法を講座にまとめたエリート・ブログ・アカデミーを発売、約10万円の教育プログラムをこれまでに1万人近い生徒が受講しています。これはブログの世界で最も権威あるコースと言われています。
ブログを始めたきっかけ
ルースは小さな子供二人を育てている主婦でした。彼女は家庭のお金を任されていましたが、使いすぎで家庭の財政状態が困難に陥っていました。
使いすぎといっても贅沢品や嗜好品には限られません。ルースは頻繁にターゲットというハイパーマーケットに通っていて、毎回何万円ものの買い物をしていました。フロリダに住んでいるので温暖な気候なのですが、子供のためにいくつも靴下を買うようなことを繰り返していました。
ルースの無駄づかいは衝動的なもので、いわゆるショッピング中毒でした。また無駄遣いが原因となって、ルースはしょっちゅう夫と口論をしていました。この状況があまりにも悪化したため、ルースは無駄遣いを控えることになります。また夫ともあまり口を聞かなくなりました。
2010年にルースはリビングウェル・スペンドレスというブログを始めます。夫婦喧嘩で夫と話すことができず、暇がありました。これまでなら憂さ晴らしに買い物に行くのですが、今はショッピングは控えています。そこでコンピューターに向かって粛々とブログを書くことにしました。
ブログのテーマは倹約です。ブログ上で予算を立てて、それを公表しては守るという記録型のブログを始めました。豊かに暮らす倹約ブログだったのですが、ルースの現状とは程遠い状態でした。ルースはお金を使いすぎでも満足できず、精神的に豊かではありませんでした。
ブログを始めたルースは2つのことに気づきました。ルースがブログが大好きだったこと、そしてブログだけでフルタイムの所得を稼いでいる人がいることです。野心家のルースは、航空宇宙関連のエンジニアだった夫がリタイアできるだけのお金を稼ぐことを目標に掲げました。
最初に集中的に取り組んだのは、クーポンを切り取って節約するテクニックでした。凝り性のルースは、クーポン集めに集中していきます。また自分の家計の予算を公開したり、掃除のテクニックなどを公開しているうちに、徐々にお買い物にいく時間が減っていきました。
倹約とは程遠い状態にあったルースは、倹約ブログを始めたことで徐々に節約が楽しくなってきました。またこの頃からルースは豊かに生きることと、お金を使うことの違いにも気づくようになりました。そして段々とブログのタイトル通りに、倹約しながら豊かに生きる生活が実践できるようになってきたのです。
ブログは最初はブロガーという無料ブログで始めしたが、すぐにワードプレスに引っ越しました。グーグルアドセンスを貼っていたので、少しずつ広告収入が入るようになってきました。
「あなたもすぐにアーリーリタイアメントができるわよ」と、ルースは夫に言いました。夫は笑い飛ばしました。いつもコンピューターの前に座っているルースに「時間の無駄だ」と言うこともありました。内心はルースの何年間にも渡る無駄遣いが収まっただけありがたいと思っていました。
ルースがブログで稼ぐ
次第にブログで稼げるようになってきたルースですが、当初の目標であった夫の収入を賄う目標には届きそうもありません。2012年になるとルースはブログをいくつも運営し、どうすれば収益をより増やせるかをさらに研究していました。しかしなかなか一定以上に伸びません。
段々と自信を失いかけたこともありました。その頃に出席したブロガーのコンファレンスで、著名なブロガーの講演であるアドバイスを聞きます。
駆け出しの自分をすでに軌道に乗っている誰かと比較してはいけない
Jon Acuff
ブログを始めた頃は書くことが大好きだったルースですが、ブログは徐々にお金を稼ぐための手段になっていました。ルースは自分の現状を、成功している他のブロガーと比較して嘆くようになっていました。
当時のルースがブログを書くときには何を書くのが正しいか考え、どう書けば読者が集まるかを考え、それは全ては収入のために書いていました。この言葉を聞いてルースは大事なことを思い出します。それは自分と人と比較するためにブログをしているのではないと言うことです。
いつか夫がリタイアできるだけの収入を稼ぐという目標に向けてルースはずっと邁進してきました。しかしそれはルースが一番やりたかったことではありません。ルースはブログが好きだったのです。そして収入が稼げることは、うれしいことで辛いことではなかったはずです。
ルースは自分が本当に考えていることを書くことに専念することにしました。
コンファレンスから4ヶ月以内に、収益を生み出しているブログをいくつか売却してしまいました。これらのサイトは収益を生み出していましたが、収入のために最適化されたサイトです。これを売却してしまったら、夫がリタイアできるだけの収入を稼ぐという夢は遠ざかります。それでもルースは書きたいことを書くことを選びました。
ルースの最初のブログであるリビングウェル・スペンドレスはしばらく放置されていたため、売却しませんでした。ここに再びルースは新たな気持ちでブログを書き始めます。これからは「適切」なこと、「人気」のある投稿、「儲かる」投稿など何も考えずに、熱意のままに書きます。
不思議なことに、ブログに急に読者が集まるようになりました。わずか6ヶ月間でアクセス数は10倍になりました。ルースのブログの収入源の一つはグーグルアドセンスだったので、アクセス数が増えれば収入も増えます。
ルースのブログは何度かの「追い風」により急成長を遂げています。
ある日テレビでクーポン集めの特集が放映されると、クーポンをネットで検索する人が急増しました。ルースのブログではクーポンに関する記事をいくつも書いていました。検索する人が一気に増えると、この期間に読者が一気に増加しました。ルースはその頃はすでにSEOを学び、取り入れていました。これが功を奏しました。SEOとはどのようにブログを運営するとグーグルの検索の上位に表示されるかというテクニックです。
またフェイスブックのページが急拡大したこともありました。フェイスブックのページを運営していたルースには約3万人の登録者がいましたが、これがバイラル化したことでたった3ヶ月間で10倍の30万人に増えたのです。またピンタレストという画像ブックマークのサイト上でもバズが起きてアクセスが殺到したことがありました。
このようにいくつかのバズを経て、ルースのブログは新たなレベルに成長したのです。そしてアクセス数と共に収入も拡大し、一度は諦めていた夫のアーリーリタイアメントを実現できる収入を生み出せるようになりました。
ニューヨークタイムズベストセラーへ
ルースは自らのブログでの成功体験を共有すべく、ブログの稼ぎ方(How to blog for Profit)という本を書きました。この本は2013年にニューヨークタイムズのベストセラーになり、ルースはベストセラー著者として広く知られるようになります。
さらに2014年には第1回エリート・ブログ・アカデミーというオンライン講座を始めます。この講座にはルースのブログのテクニックが詰まっており、約10万円という高額の講座であるにも関わらず1万人近い生徒が受講しています。
アメリカでフルタイムの仕事以上の収入を稼いでいる著名なブロガーの多くはエリート・ブログ・アカデミーを受講したことがあります。それだけ尊敬されているコースに育ったのでした。
ルースがブログを始めるまでの本当の話
輝かしい成功を収めているルースですが、最近になって彼女の暗い過去をブログで公開しています。ルースは幼少期からベビーシッターから虐待を受けていたこと、それがトラウマとなって長らく精神的に不安定な時代を過ごしたことを公表しました。
成人しても重度のうつ病になっていたルースは何度か入院させられることもありました。ほとんど引きこもり状態で実家に暮らすことになりました。どん底の生活をしていたルースでしたが、父親の進めでジムに通うように言われ、これがきっかけで少しずつ気分が回復に向かいます。
それから回復は続き、普通の日常生活が送れるようになりました。
ルースの本当の転機となったのは、娘が生まれた後でした。夫の祖母は敬虔なクリスチャンで、曽孫の洗礼では特別なガウンをきて欲しいと強く願っていました。厳しい規則があった教会では、教会のメンバーでなければ1歳児の洗礼を受け付けてくれません。
幼少期の経験やうつを引きずっていたルースは教会に対する信頼を失っていて、信仰に後ろ向きでした。しかし娘のためだけにと我慢し、毎週日曜日にミサに出席することにしました。
日曜日に教会に行くと驚くほど親切にされたので、ルースは戸惑いました。隣に座った初老の女性に、若い家族向けの勉強会に入ることを勧められました。ルースは1年間ほど毎週誘われましたが、丁寧に拒否し続けました。
新しく教会に入った牧師もルースにもわかりやすく説法をしてくれました。何度も断り続けた後も諦めなかった初老の女性の誘いに従い、ルースはようやく勉強会に出席することにしました。勉強会では誰もが優しく、そして段々と教会に入ることを拒否し続けいた自分が薄れていきました。
2009年のある日ルースはこれまでの全てのことに意味があったことを悟り、教会を受け入れることを拒否することをやめました。これまでの自分に対する不満、外界に対する怒りを全て辞め、新しい自分として生きていくことにしたのです。2010年にブログを始め、その後はわずかな期間でルースは10人以上のスタッフを抱え、数億円の売上を生み出すブログ企業を生み出したのです。
まとめ
ルースはお金のためにブログをするのではなく、自分のためにブログを書く重要性を説いています。そうすれば、収入は後から付いてくると説きます。
ルースは収入のためにブログを書いた経験もあり、また自分の本当に書きたいことをブログにした経験の両方を持っています。その両方を経験したルースが言うのですから、真実なのでしょう。
ルースのブログのサクセスストーリーには、近道のようなテクニックがありません。ブログを今すぐ始めてみること、書きたいことを書くこと、本当に熱意があることが書くことを推奨しています。ルースの教えには根本的なアドバイスが多いです。それは例えばこのようなことです。
- 素晴らしい内容でなければ、そもそもバズったりしない
- 多くの読者が押し寄せて、その準備ができていると自分で思えなければ、多くの読者は来ない
- 収入を稼げなくても続けられるようなブログでなければ、収入は稼げない
ルースの経験ではこれらの逆のことが起きています。ルースは準備ができていたのです。突然のグーグル検索のバズが起きたり、フェイスブックのいいねが10万人増えたり、ピンタレストがバイラルになったりするのも、その準備が整っていたからかもしれません。
どんなテーマでもいいのです。自分を信じて、書きたいことでブログに書き始めましょう。
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